2018年06月11日
つくばエクスプレスの8両化は当分やらないみたい!
6/8につくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新都市鉄道株式会社の平成29年度の営業実績が発表されました!
(情報源:首都圏新都市鉄道公式サイト「平成29年度営業実績」)
これによると、平成21年度から9期連続で経常黒字となり累積損失が解消して、ついに開業以降初めて利益剰余金を計上しました!
つまり、今後大きな投資をしなければ、利益剰余金がどんどん積み上がることになり、新たな投資をする余地ができるわけです!
一方、旅客の増加は衰えず、1日当たりの旅客輸送人員は過去最高の37万人を記録しました。
そのため、さらなる輸送力増強策についても同時に発表されました!
(情報源:首都圏新都市鉄道公式サイト「平成29年度営業実績」)
これによると、平成21年度から9期連続で経常黒字となり累積損失が解消して、ついに開業以降初めて利益剰余金を計上しました!
つまり、今後大きな投資をしなければ、利益剰余金がどんどん積み上がることになり、新たな投資をする余地ができるわけです!
一方、旅客の増加は衰えず、1日当たりの旅客輸送人員は過去最高の37万人を記録しました。
そのため、さらなる輸送力増強策についても同時に発表されました!
「TX新型車両TX-3000系を導入します」ということで、新たに6両×5編成の全30両が2020年春から運行を開始する予定です。
外観は、これまでの鼻の尖った電車のイメージを継承したデザインになっています。
色はこれまでにステンレスのシルバーに赤帯だけでなく、ドアを青く塗ったデザインになっています。
全車両に車椅子やベビーカーのスペースを設けるほか、ドア上に液晶カメラと防犯カメラが設置されます。
座席はクッション性を改良し、座り心地が向上するものの、残念ながらボックスシートは設けられないようです。
1両だけでもボックスシートがあれば、時間のない時に買ったサンドイッチを食べたり、ノートPCで仕事したりするのに便利なのですが、小手先の混雑緩和のために無くなってしまって、とても残念です。
さらに、2018~2020年度の中期経営計画も公表されました。
しかし、累積損失が解消した今こそ8両化に着手するだろうという淡い期待もかないませんでした。
中期計画の10ページには、「今後の輸送状況等を踏まえ、列車の長編成化の可能性等について、引き続き検討」と書かれており、少なくとも2020年度までは8両化の予定がないことがわかります。
中期計画における輸送力増強策としては、前述の新型車両の増備により、最混雑区間における朝ラッシュ1時間の最大運行本数を現在の22本から25本に増やすことが柱になっています。
しかし、守谷以北の利用者にとっては守谷始発や八潮始発の普通列車が増発されたところで、あまりメリットはないですね。
それより区間快速や通勤快速を増やしてもらわないと、短距離客と長距離客の分離ができないですし、快速系列車の混雑は緩和されません。
2020年春に予定されているというダイヤ改正では、ぜひ通勤快速や区間快速を増やしてほしいところです。
さらに、輸送力増強策として、「未対応7編成のボックスシートをすべてロングシートに改修」が挙げられており、近い将来にTXからボックスシートが絶滅することになりました。
何度も書きますが、長距離客にとっては肘掛があって眠ったり飲食したりしやすいボックスシートが無くなるのは本当に痛いです。
なお、8両化は行われませんが、ラッシュ時間帯のホームの混雑緩和対策としては、「混雑の激しい秋葉原駅などのホームの延伸を実施」と書かれています。
TXの各駅にはホームを10両編成対応に出来るスペースが確保されていますので、南流山駅と同様にホームの停車位置をずらして混雑緩和を図るのでしょう。
「秋葉原駅など」という表現からすると、他にも北千住駅あたりでもホームの延伸が行われるかもしれませんね。
確かに8両編成にしようとすると、駅のホームを延伸し、各編成に2両ずつ増結し、車両基地も拡張しないといけないでしょうから、簡単に投資に踏み切れないのも理解できます。
しかし、6両編成で郊外から都心に乗り入れている鉄道路線は東急目黒線-南北線・都営三田線-埼玉高速鉄道線しかないのですから、累積損失が解消した今こそ小手先の対応ではなく、抜本的な輸送力増強策を実施してほしいところです。
東京駅への延長や茨城空港への延長よりずっと大事な投資だと思います。
外観は、これまでの鼻の尖った電車のイメージを継承したデザインになっています。
色はこれまでにステンレスのシルバーに赤帯だけでなく、ドアを青く塗ったデザインになっています。
全車両に車椅子やベビーカーのスペースを設けるほか、ドア上に液晶カメラと防犯カメラが設置されます。
座席はクッション性を改良し、座り心地が向上するものの、残念ながらボックスシートは設けられないようです。
1両だけでもボックスシートがあれば、時間のない時に買ったサンドイッチを食べたり、ノートPCで仕事したりするのに便利なのですが、小手先の混雑緩和のために無くなってしまって、とても残念です。
さらに、2018~2020年度の中期経営計画も公表されました。
しかし、累積損失が解消した今こそ8両化に着手するだろうという淡い期待もかないませんでした。
中期計画の10ページには、「今後の輸送状況等を踏まえ、列車の長編成化の可能性等について、引き続き検討」と書かれており、少なくとも2020年度までは8両化の予定がないことがわかります。
中期計画における輸送力増強策としては、前述の新型車両の増備により、最混雑区間における朝ラッシュ1時間の最大運行本数を現在の22本から25本に増やすことが柱になっています。
しかし、守谷以北の利用者にとっては守谷始発や八潮始発の普通列車が増発されたところで、あまりメリットはないですね。
それより区間快速や通勤快速を増やしてもらわないと、短距離客と長距離客の分離ができないですし、快速系列車の混雑は緩和されません。
2020年春に予定されているというダイヤ改正では、ぜひ通勤快速や区間快速を増やしてほしいところです。
さらに、輸送力増強策として、「未対応7編成のボックスシートをすべてロングシートに改修」が挙げられており、近い将来にTXからボックスシートが絶滅することになりました。
何度も書きますが、長距離客にとっては肘掛があって眠ったり飲食したりしやすいボックスシートが無くなるのは本当に痛いです。
なお、8両化は行われませんが、ラッシュ時間帯のホームの混雑緩和対策としては、「混雑の激しい秋葉原駅などのホームの延伸を実施」と書かれています。
TXの各駅にはホームを10両編成対応に出来るスペースが確保されていますので、南流山駅と同様にホームの停車位置をずらして混雑緩和を図るのでしょう。
「秋葉原駅など」という表現からすると、他にも北千住駅あたりでもホームの延伸が行われるかもしれませんね。
確かに8両編成にしようとすると、駅のホームを延伸し、各編成に2両ずつ増結し、車両基地も拡張しないといけないでしょうから、簡単に投資に踏み切れないのも理解できます。
しかし、6両編成で郊外から都心に乗り入れている鉄道路線は東急目黒線-南北線・都営三田線-埼玉高速鉄道線しかないのですから、累積損失が解消した今こそ小手先の対応ではなく、抜本的な輸送力増強策を実施してほしいところです。
東京駅への延長や茨城空港への延長よりずっと大事な投資だと思います。
Posted by Science_City at 01:24│Comments(12)
│鉄道
この記事へのコメント
鈍足化確定さん、こんにちは!
完全に同じ意見です。
1時間に25本も走ったら、八潮から都心側は普通も通勤快速も同じ速度で走るしかありませんから、昼間の軽快な走りは影をひそめることになりそうですね。
高くて遅いでは、結局常磐線に客が流出することになりかねないと思うのですが…
完全に同じ意見です。
1時間に25本も走ったら、八潮から都心側は普通も通勤快速も同じ速度で走るしかありませんから、昼間の軽快な走りは影をひそめることになりそうですね。
高くて遅いでは、結局常磐線に客が流出することになりかねないと思うのですが…
Posted by Science_City at 2018年06月24日 21:08
ラッシュ時の京浜東北線が一時間に25本との事で、TXの増発予定本数と一致します。追い越しなしの京浜東北線でやっと捌けてるわけですから、今後は例え種別が通勤快速、区間快速であったとしても、追い抜かないで、普通の後をちんたら追いかけるダイヤになると思われます。
そして、流山おおたかの森と、八潮の追い越し設備は交互発車に使われるかもしれませんが、追い越しなくなる。
『エクスプレス』と言う名は看板倒れな事態が想定出来ます。
8両化して速度維持したまま客を捌くより、鈍足を我慢をさせる方に舵を切ったことが残念でなりません。
そして、流山おおたかの森と、八潮の追い越し設備は交互発車に使われるかもしれませんが、追い越しなくなる。
『エクスプレス』と言う名は看板倒れな事態が想定出来ます。
8両化して速度維持したまま客を捌くより、鈍足を我慢をさせる方に舵を切ったことが残念でなりません。
Posted by 鈍足化確定 at 2018年06月22日 08:31
sereneさん、こんにちは!
日本の人口は一様に減っていくわけではないので、魅力を上げることで減少を遅くすることは可能だと思います。
つくばは東京都心からの距離があるものの、TXの速達性と快適性で他の郊外エリアとも遜色のない競争力を持っています。
しかし、他の鉄道と同様に混雑し、ラッシュ時に速度が下がるようでは、運賃が高い分競争力が落ちてしまいます。
様子見して投資をケチっているうちにTX沿線が他のエリアに負けるようなことにならないとよいのですが…
日本の人口は一様に減っていくわけではないので、魅力を上げることで減少を遅くすることは可能だと思います。
つくばは東京都心からの距離があるものの、TXの速達性と快適性で他の郊外エリアとも遜色のない競争力を持っています。
しかし、他の鉄道と同様に混雑し、ラッシュ時に速度が下がるようでは、運賃が高い分競争力が落ちてしまいます。
様子見して投資をケチっているうちにTX沿線が他のエリアに負けるようなことにならないとよいのですが…
Posted by Science_City at 2018年06月21日 00:59
7しさん、こんにちは!
おっしゃることはごもっともだと思います。
ですから、記事本文にも「簡単に投資に踏み切れないのも理解できます。」と書きました。
長期的には沿線人口は減りますが、速さと快適性で沿線人口を増やす努力が必要だと思います。
常磐線と同じレベルの混雑だったら、安くて東京・品川に直通する分有利になってしまいます。
JRと同じレベルまで値下げするのは現実的ではないので、快速系統だけでも8両化する投資は必要ではないかと思います。
(沿線住民の願望もかなり入っていますが…(汗))
おっしゃることはごもっともだと思います。
ですから、記事本文にも「簡単に投資に踏み切れないのも理解できます。」と書きました。
長期的には沿線人口は減りますが、速さと快適性で沿線人口を増やす努力が必要だと思います。
常磐線と同じレベルの混雑だったら、安くて東京・品川に直通する分有利になってしまいます。
JRと同じレベルまで値下げするのは現実的ではないので、快速系統だけでも8両化する投資は必要ではないかと思います。
(沿線住民の願望もかなり入っていますが…(汗))
Posted by Science_City at 2018年06月21日 00:42
匿名希望さん、こんにちは!
私も図書館のクレオ移転の話やつくバス改編の話も読みました。
記事のネタはいろいろあるのですが、なかなか書く暇がありません…
そのうち書くと思いますので、期待しないでお待ちください…
私も図書館のクレオ移転の話やつくバス改編の話も読みました。
記事のネタはいろいろあるのですが、なかなか書く暇がありません…
そのうち書くと思いますので、期待しないでお待ちください…
Posted by Science_City at 2018年06月21日 00:18
電車男さん、こんにちは!
デュアルシートは居住性は1番良いのですが、1両当たりの座席数が少なくなるのが難点ですね。
固定式ボックスシートならドア間に片側8席ですが、ロングシートだと7席、デュアルシートだと6席なので、1両で最大12席も少なくなってしまいます…
デュアルシートは居住性は1番良いのですが、1両当たりの座席数が少なくなるのが難点ですね。
固定式ボックスシートならドア間に片側8席ですが、ロングシートだと7席、デュアルシートだと6席なので、1両で最大12席も少なくなってしまいます…
Posted by Science_City at 2018年06月21日 00:17
日本全体の人口減少と都心回帰を考えると、累積赤字を解消した程度では8両化には踏み切れないのでしょう。混雑も朝だけで夕方は増発余地あり、日中は特に茨城県内でガラガラです。朝ラッシュは本数増とボックス廃止で2割増と、輸送力増強としては低コスト。
でも、これから先を考えるとそれでいいのか?外観千葉区間は開通し、つくば号の渋滞は解消。乗りかえを考えると筑波大から東京駅までバスの方が速くなったようです。さらに、私鉄では有料でクロスシートに座れる列車が登場するなか、快適性を犠牲にした混雑緩和でいいのか疑問です。
増える本数ですが、快速系統の増発はほぼないと思います。退避で時間をとられますし、せっかく抜かしても前の普通が近くてつっかえるか、間隔をあけざるを得ないためです。むしろ守谷でわざわざ待避線を作りましたし、普通を増発してつくば始発は後の通勤快速に抜かされ、守谷以南での退避を行わないようなダイヤになると思います。その場合快速系統は今より1分程度遅くなるでしょう。
でも、これから先を考えるとそれでいいのか?外観千葉区間は開通し、つくば号の渋滞は解消。乗りかえを考えると筑波大から東京駅までバスの方が速くなったようです。さらに、私鉄では有料でクロスシートに座れる列車が登場するなか、快適性を犠牲にした混雑緩和でいいのか疑問です。
増える本数ですが、快速系統の増発はほぼないと思います。退避で時間をとられますし、せっかく抜かしても前の普通が近くてつっかえるか、間隔をあけざるを得ないためです。むしろ守谷でわざわざ待避線を作りましたし、普通を増発してつくば始発は後の通勤快速に抜かされ、守谷以南での退避を行わないようなダイヤになると思います。その場合快速系統は今より1分程度遅くなるでしょう。
Posted by serene at 2018年06月13日 19:22
累積損失がなくなったということは、納税のための資金が必要になるということだと思います。8両化はかなりの投資額が必要だと思いますが、納税のことがあるので 大きな投資は無理なのでは?
Posted by 7し at 2018年06月13日 09:26
おはようございます。さて、記事とは関係ないタレコミで申し訳ないのですが昨晩、つくば関連のモバイルニュースを見ていたら[現在、空きテナント化している旧・西武の5階と6階に現・中央図書館を移転させる計画を市が考えている]というのを見つけました。結構、多額の費用が課される予定で建物老朽化と元々、商業として使用されていた所に図書関連と言う異なるジャンルを移転するにあたり、重量の観点からも工事しなければならないようです。ただし、移転後の現・アルスの活用化は、どうなるか、わかりません。美術館と喫茶店のみじゃ、つまらないですからね。また、つくバス再編の記事もみつけました。地区別説明会を行い、意見を聞く予定だそうですが北部シャトルに関しては筑波地区の便数が減少される代わりに大穂窓口~センター間の折り返し便が設けられるようです。他の地区のシャトルも何やら、変更があるようです。長文にて失礼しました。
Posted by 匿名希望 at 2018年06月13日 03:58
通勤ラッシュ時はロングシートでないと捌けないのは仕方のない事なので、時間帯によってロングとクロスシートを切り替えられるデュアルシート(東武50090系電車、西武40000系電車、京王5000系電車等の様な)を、TXにも導入して欲しいなと思います。
Posted by 電車男 at 2018年06月13日 02:21
たっちゃんさん、こんにちは!
1時間の運行本数を25本にしようと思ったら、通勤快速も普通も同じくらいの所要時間で走らないと収まらないと思います。
それより、快速・区間快速だけでも8両化してもらえればかなり混雑が緩和すると思うのですけどね。
1時間の運行本数を25本にしようと思ったら、通勤快速も普通も同じくらいの所要時間で走らないと収まらないと思います。
それより、快速・区間快速だけでも8両化してもらえればかなり混雑が緩和すると思うのですけどね。
Posted by Science_City at 2018年06月13日 00:54
お金をかけるなら、八両化>>>>東京、茨城空港への延伸ですね。
北千住のり変えで十分便利かと。
北千住のり変えで十分便利かと。
Posted by たっちゃん at 2018年06月11日 22:40
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