研究学園の生活

「隠す」という行為は、たいてい不都合な事実に目を向けさせないために行われるものです。

あらためて総合運動公園の基本計画策定委員会の資料を読み返していたら、不思議なことがわかりました。
昨日紹介した第3回委員会資料のリストをつくば市のサイトで見ると、「参考資料2」で終わっているのですが、
手元にあるPDFファイルには「参考資料3」まであります。

【昨日の記事】

これまでの総合運動公園関連記事は　→　こちら


※（仮称）つくば市総合運動公園基本計画策定委員会のページより画面キャプチャ

つくば市のサイト上は、参考資料2までしかないことになっていますが…。
実は…

「会議次第」を開くと、配布資料の一覧に、
「参考資料3　基本構想と同規模程度の陸上競技場及び体育館の現状把握」
という資料が掲載されています！

委員会資料として「参考資料3」まで存在していたのですが、何か理由があって隠したかったのでしょう。
何か正当な事情があってネットで公開ができないのであれば、理由を明記して非公開の旨を記載するでしょう。
国の審議会の資料などは、民間の経営戦略に関する資料は、タイトルと理由だけ記して非公開になっていますね。

しかし、この参考資料3については、何も注記もなくひっそりと無かったことにされています。

実は、この参考資料3は当初普通に公開されていました。
どこかの時点で不都合だと思って公開を中止して亡き者にしたようです。

私は、幸運なことにこの幻の「参考資料3」を持っていますので、つくば市が隠したかったこの資料をブログ上に公開したいと思います！
資料の内容は、他の自治体が保有する陸上競技場と体育館の規模、利用者数、事業費などのデータの一覧です。

注）事業費や建設費については当時の金額であり、現在の建設費とは単純には比較できませんので、あくまでも参考です。（でも、国立競技場のように2倍などということはありません。）


※クリックすると、拡大表示されます。

こちらは、他の県や市が保有する陸上競技場の比較表です。

なぜか比較している陸上競技場は、県営かつくば市よりも大きな市が保有するものばかり…。
（強いて言えば、ケーズデンキスタジアムが水戸市で、同規模の市と言えなくもないですが…）
比較したところで身の丈に合わないことが明確になるだけです。

この一覧表で何を比較したかったのか、全く理解できませんが、だからといって資料を亡き者にしていい理由にはならないでしょう。
（もっとマシな資料に作り直せばよかったのに…）


※クリックすると、拡大表示されます。

一方、こちらは他の県や市が保有する体育館の比較表です。

こちらは、ひたちなか市や龍ヶ崎市、富山県氷見市などの事例もあり、参考になります。
ただし、つくば市の計画のような85億円の体育館などは造っていませんし、5000席の観客席など設けていません。
（近年の建設費の高騰を差し引いても豪華過ぎです。）

さいたま市と比較するのは、さすがに身の程知らずでしょうし、墨田区と比べるのも人口は同程度かもしれませんが、BTO方式で建設されていて全てが税金から支出されているわけではないので、簡単には比較できません。

※BTO方式－「民間事業者が施設等を建設し、施設完成直後に公共施設等の管理者等に所有権を移転し、民間事業者が維持・管理及び運営を行う事業方式」

結局、この参考資料3は、今の基本計画が過大であることの証明になってしまっているので、亡き者にされたように思われます。