研究学園の生活

（仮称）つくば市総合運動公園の建設予定地は、市長が理事長を務める「いちはら病院」の北側です。
そこが市内で唯一の適地という説明を信じる純粋な（笑） 心を持った人は、あまりいないと思います。

【総合運動公園問題の過去記事へのリンク】
http://sciencecity.tsukuba.ch/c13383.html


※西大通り入口そばにある「いちはら病院」とその向こうに見える総合運動公園建設予定地

むしろ唯一の適地どころか、15000人収容のスタジアムや5000人収容の体育館などの建設には、
全く適していないロケーションと言えます。

すぐそばに主要渋滞箇所を抱えるロケーション

この「いちはら病院」のそばにあるのが、西大通りと東大通りがぶつかる「西大通り入口」交差点です。

実は、この「西大通り入口交差点」は、茨城県内でも渋滞が多発している箇所として平成24年度に特定された「茨城県の主要渋滞箇所」の1つなのです！


※国土交通省 関東地方整備局 常陸河川国道事務所 ウェブサイト
　「茨城県の主要渋滞箇所の特定結果」　主要渋滞箇所（県南）より

実際、筑波山方面から国道408号を南下し、西大通りへ右折する車が原因でよく渋滞しています。
特に、週末はひどいですね。

ここに総合運動公園ができたら、どうなるでしょうか？
つくば市の北に寄ったロケーションですから、大規模イベント終了時には自家用車の多くは一斉に南に向かうでしょう。
その結果、西大通り入口交差点を先頭に大渋滞が発生し、つくば駅に向かうシャトルバスも巻き込まれることになります。

科学万博の時はどう対処したのか？

市長や建設推進派が持ち出す、1985年の科学万博ではどのように対処したのでしょうか。
1985年には、まだTXは当然開通していません。
国鉄常磐線や関東鉄道常総線の駅からシャトルバスが出していたのです。

じゃあ、むしろTXつくば駅から「いちはら病院」までの方が近いと思われるかもしれません。
しかし、準備のレベルが違います。

シャトルバスは、主に4方向に走らせていました。
・常磐線　万博中央駅（現ひたち野うしく駅の位置にあった臨時駅）
　→　エキスポ大通り～土浦学園線～学園西大通り
・常磐線　土浦駅
　→　エキスポ大通り～土浦学園線～土浦高架橋
・常磐線　牛久駅
　→　エキスポ大通り～牛久学園線～牛久駅東口
・関鉄　水海道駅
　→　エキスポ大通り～谷和原学園線（県道45号バイパス～国道354号バイパス～国道294号バイパス）

このように、エキスポ大通り以外は分散した経路でシャトルバスを走らせていました。
また、エキスポ大通りは当時から6車線となっていて、谷田部ICからの自家用車はサイエンス大通りから駐車場に向かうようになっており、自家用車とシャトルバスの動線はほぼ分離されていました。

しかも、万博中央駅に向かうシャトルバスは2両連結の連接バスで、土浦学園線と西大通りの交差点（学園西交差点）には、仮設の立体交差が設けられシャトルバスは信号に関係なく右左折できるようになっていました。
ここまでの対策を取ったからこそ、混乱なく万博来場者を運べたのです、

TXの駅や高速のICから遠いうえに渋滞する場所が総合運動公園の適地といえるか？

一方、経路を分散することもできない運動公園の計画の場合、西大通り入口交差点に自家用車もシャトルバスも集中してしまいます。

大規模イベントの開催時には、渋滞で周辺の細い道にも車が通るようになり、かなり周辺に迷惑がかかりそうです。

もっとも、それだけ渋滞するような大規模イベントが、駅からも高速道路からも遠い交通の不便な場所に呼べるのかも疑問ですけどね。