研究学園の生活

（仮称）つくば市総合運動公園基本計画及びこれに係る市費の支出の賛否を問う住民投票から2日…。


※開票が行われた「桜総合体育館」

今回の住民投票は、反対票が賛成票の4倍以上となる全国でも例のない結果に終わりました。
ひとまず無謀な基本計画に待ったをかけることができて良かったのですが、まだもやもやとしたものが心に残り、すっきりしません。

本来、ここのブログは「日々発展していく新しい街、つくば市「研究学園」の生活で発見したこと、経験したこと、街の発展の様子などを紹介」するために始めたブログなので、心に区切りをつけてそろそろ軸足を元に戻すためにも、今回の結果の私なりの分析と、今後進むべき方向性について思うところを書いてみたいと思います。

　表　過去3年間の地区別投票率の推移

　注）地区別の投票率には、期日前投票等は含まず、つくば市合計には期日前投票等を含む（8/12追記）

ツイッターの方には書きましたが、今回の住民投票では「総合運動公園」で経済の活性化が期待されるはずの大穂地区をはじめとした北部3地区（筑波・大穂・豊里）の投票率は他の地区よりも低いという結果でした。

上の表で最近3年間の地区別投票率を見ると、実はこの傾向は他の選挙でも同様であることが分かります。
唯一の例外は、「つくば市長選挙」です。
他の候補者が谷田部地区や桜地区であったからか、この時ばかりは逆に北部3地区の投票率が高くなっていました。

しかし、今回は他の選挙と同様の投票率の傾向であったということは、北部の地区でも特に関心が高いわけではなかったということになります。
つまり、地元が待ち望んでいた施設ではなかったということです。

結局、市長はほんの一部の支持者たちの要望をもとに、総合運動公園を推進していたということなのでしょう。


※投票当日、桜総合体育館駐車場に集まる報道機関の車

昨日の読売新聞の報道によれば、市長は用地売却も検討しているとのことです。
今までの計画は何だったのでしょうか？
今回の住民投票は、あくまでも基本計画への賛否だったはずで、中止の意見が多数派とは言えません。
自分で「見直しも賛成に○」と言い続けていて自己暗示にかかってしまったのでしょうか。

いずれにしても、現市長のもとでは総合運動公園の新たな基本計画の提案はなさそうです。
20年来の市民の悲願で、子どもたちの未来を考えた計画だったはずなのに、あっさり白旗を上げてしまい、唖然としています。

今後、市議会でどんな議論になるのかわかりませんが、個人的な今後の総合運動公園計画の方向性を述べて、「総合運動公園問題」の中締めとしたいと思います。

1.総合運動公園計画の基本方針
・必要とする機能ごとに最適な施設・位置を考える
・既存施設の改修を優先する
・民間でできるものは民間で行う

2.陸上競技場
・新設するニーズがどの程度あるのか再度調査
・筑波大と共用する代わりに、維持管理費を分担することはできないか検討
（年数回優先利用を確保し、筑波大が使わない時間帯の市民利用を可とする可能性はないか？）

3.サッカー場
・ウェルネスパークの天然芝のグラウンドの改善についての検討
・多目的グラウンドのサッカー場としての改修可能性についての検討
・将来、つくばFCがJリーグへの昇格が視野に入れば、ホームグラウンドの整備も検討？
（それでも、鹿島、水戸につづいて3つ目のスタジアムが県内に必要か？）

4.体育館
・既存の体育館の長期修繕計画の策定
・カピオの客席の増設についての検討
（その際、民間資金で増設する代わりに飲食・販売を認めてはどうか？）
・カピオの客席増設が困難な場合、イーアスの北側または研究学園の理想科学の南側などへの民間資金（PFI）による体育館の整備可能性についての検討
・2019年茨城国体の体操・新体操の会場は、洞峰公園体育館か桜総合体育館に変更

5.その他の施設
・スケートボード場は、既設の公園のうち職員が配置されている公園に建設し、騒音等のトラブルが起きないよう、開場時間を制限し、夕方から朝までは閉場

6.大学等との連携
・新たな施設を造るのではなく、筑波大や筑波技術大の敷地において連携活動を実施
・必要な施設があれば、つくば市が出資して共同利用するのもよい

7.大穂の用地の使い道
・貴重な平地林がまとまって残っているため、売却せずに大部分を保存
（森林公園や市民の森として使うことも考えられる）
・国道408号沿いの一部（敷地の最大2、3割程度）には、道の駅や地元農産物の直売所など、地域活性化に資する施設を整備

…こんな案を市民からいろいろ募ったうえで、つくば市として新たな案を提案してほしいのですが、市長が替わるまで無理でしょうか。
ひとまず、拙速に土地を売却して損を出すようなまねをするのだけは止めてほしいと思います。

今後、動きがあれば、また総合運動公園問題について取り上げたいと思いますが、今回でひとまず打ち止めとして、最近おろそかになっている本来（？）の「研究学園の生活」に戻りたいと思います。
（ツイッターの方では、今後も総合運動公園ネタをつぶやきそうですが…。）

今回の住民投票では、自分も含めて多くの市民が市政に興味を持つ良い機会であり、また市民の力で市政を動かすことができるのだと実感できる貴重な機会だったと思います。
「総合運動公園建設の是非を住民投票で問うつくば市民の会」をはじめとして様々な方のご尽力があり、またネット上でもなおっぴさん、commonsense298さん、NAKAJIさん、JWNGさんなどの情報発信にはかなりの反響がありました。
また、常陽新聞や東京新聞など、報道機関の丹念な取材にもとづく記事は、多くの人の理解に役立ったと思いますし、TBSの「噂の！東京マガジン」で2回も取り上げられたことも、大きかったと思います。

本件を機に、市民の意見を聞くつくば市政に変わっていくことを期待して、総合運動公園問題に一区切りをつけたいと思います。
いろいろとブログやツイッターにコメントをいただいた方、読んでいただいた方、ありがとうございました。
つくばのお店やイベント情報を求めているのに、総合運動公園問題ばかりで飽き飽きしていた方、ごめんなさい。

何やら、最終回みたいな雰囲気になってしまいましたが、「研究学園の生活」はこれからも続きます。
今後とも、ご愛読のほどをよろしくお願いいたしますm(_ _)m