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2015年06月24日

「つくば市中長期財政見通し」は甘すぎる!

少し間が空きましたが、再び総合運動公園の問題です。
前回、つくば市の財政上の問題がないと説明する割には、実はつくば市の市債はこれまであまり減っていないことを指摘しました。

今回は引き続き、将来の財政負担に心配はないのか検証してみます。

【前回の記事】

その他、総合運動公園問題の記事は → こちら

「つくば市中長期財政見通し」は甘すぎる!

つくば市では一応、一般会計を対象として平成28~37年度の中長期の財政見通しを出しています。
リンク先 → 「つくば市中長期財政見通し
でも、中身を見ると実質的には前半の5年くらいしか予測していないシロモノでした…。

「つくば市中長期財政見通し」で示された今後10年間の歳出

2ページに歳出の予測方法が書かれています。
一部を抜粋します。
---------+--(引用開始)--+---------
④投資的経費
後年度に予想される建設事業等から推計しました。なお,事業年度が確定していない事業についても,必要と思われる事業は,仮の事業年度を定めて推計しました。

※後年度想定されている主な普通建設事業
平成28~37年度事業見込みと事業費(うち一般財源)
・総合運動公園整備事業
 299億円程度(10億円程度)
・小中学校新増築事業
 134億円程度(41億円程度)
・可燃ごみ処理施設延命化事業
  88億円程度(10億円程度)
・リサイクルセンター整備事業
  40億円程度( 3億円程度)
・幼小中環境整備事業 (トイレ,エアコン等)
  25億円程度(15億円程度)
・基幹道路整備事業
  21億円程度( 4億円程度)
・学校給食センター建設事業
  21億円程度( 6億円程度)
現段階において,平成32年度以降は,想定される事業が少なくなっているため,毎年度25億円の市単独事業費を各年度に追加して推計しています。

⑤ その他の経費
公共施設等の維持管理費,修繕費,補助金,負担金,他会計への繰出金など。
物件費は平成27年度当初予算額を基準に,その他は過年度の実績等により推計しました。
---------+--(引用終了)--+---------
※着色は筆者による

「中長期財政見通し」では施設の大規模修繕費用はほぼ対象外

これを見ると、投資的経費には既に計画が動き始めている事業しか書かれていません。
そうすると後半の5年間の投資的経費があまりに少なくなってしまうので、「とりあえず毎年25億円を積んでおきました」という感じです。

一方、その他の経費には維持管理費や修繕費が見込まれていますが、あくまでも「過年度の実績等」です。
「等」に何が含まれているのかよくわかりませんが…。

「中長期財政見通し」を読むと、「可燃ごみ処理施設延命化事業」以外は、ほとんど施設の大規模修繕や改修は想定されていないことがわかります。

老朽化が進むつくば市のインフラや施設

つくば市には、筑波研究学園都市の整備に合わせて建設されたインフラ(道路・橋・上下水道など)や、合併前の各町村に建設された施設(学校・交流センター・福祉施設など)が多数あります。
それらの大部分は建設後30年以上経過したものです。

体育施設に限っても、建設後30年以上経過した施設がほとんどです。

○筑波総合体育館… 31年
○大穂体育館   … 32年
○吉沼体育館   … 29年
○豊里体育館   … 32年
○豊里柔剣道場  … 38年
○東光台体育館  … 27年
○桜総合体育館  … 35年
○つくばカピオ   … 21年
○谷田部総合体育館…34年

30年経ったからといって即建て替えとはなりませんが、配管や電気・機械設備などについては、取り替えや大規模修繕が必要になりますし、建物も何らかの修繕が避けられません。
この10年間通常の維持管理で済むような体育館は少ないでしょう。

豊里や竹園の懇談会でも、既存や新設の施設の将来の維持管理や寿命が問われていましたが、市長から「これまで通り使える間は使っていく」という長期的ビジョンが全く感じられない回答をいただきましたので、大変心配です。

「公共施設等総合管理計画」策定の必要性

現在、つくば市では、総務省が地方自治体に対して策定を推進している「公共施設等総合管理計画」をようやく検討し始めた段階にあります。
「公共施設等総合管理計画」とは、マンションで言えば「長期修繕計画」のようなもので、市が管理する全てのインフラや公共施設を対象としており、公共施設等の全体の状況を把握し、長期的な視点をもって、更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担を軽減・平準化するとともに、公共施設等の最適な配置を実現するための計画です。

今の財政見通しでは、維持費は従来の延長でしか想定しておらず、施設の高齢化による修繕費の増加は全く見込まれていない予測です。
これでは、今後老朽化が進む施設の更新・修繕費用が急激に増加し、適切な管理ができません
現在でも最低限の維持管理しかされていないのですから、その延長で維持費を見込んでいるようでは将来使用不能な施設やインフラが続出するおそれがあります。

総合運動公園の基本計画を作る前に、まず今着手したばかりの「公共施設等資産マネジメント計画」(総務省がいう「公共施設等総合管理計画」のこと)を現実の状況に即して早急に策定するべきです。

そして、現有施設の更新・修繕に必要な費用を考慮し、「つくば市中長期財政見通し」をつくりなおしたうえで将来的にどんな規模の運動公園なら市が負担して造るのにふさわしいかを議論することが必要ではないでしょうか。




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Posted by Science_City at 01:43│Comments(0)総合運動公園問題
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